ハイブリッド・ミュージック
自動演奏マシンの製作者として世界的に知られるアーティスト、マーティン・リッチズのミュージック・マシンと、世界の現代音楽の俊英たちが、スリリングなコラボレーションを展開する、これまでに類のないコンサート。
18世紀の自動装置(ロボット)文化と思想をベースに創造されたリッチズのマシン。それが21世紀のコンピュータ・ソフトウェアに制御されることで、人間によるアコースティクスな楽器との共演が可能になる、まさにハイブリッド(多種混合)な音楽が実現します。
この編成のために楽曲を提供したのは、日本、ドイツ、英国などの作曲家たち。新作を書き下ろすのは、三輪眞弘、足立智美、ドイツのローランド・プフレングル。そしてコンピュータ音楽の研究機関として名高いフォルクヴァング芸術大学から三人の作曲家が参加します。またリッチズと長くコラボレーションを続けているトム・ジョンソンやショーン・トーツアの作品も登場。
指揮はドイツを中心に活躍する新進気鋭のマヌエル・ナウリ。演奏には、日本、アメリカ、ブラジルからソリストを迎え、アンサンブルにはドイツから実力派アンサンブル、KNMベルリン(Kammerensemble Neue Musik Belrin)が登場。
マシンと人間による世界的コラボレーション!必見必聴です!!
日 時 |
2014年2月9日(日) 15:00~ ※開演30分前に開場します。 |
会 場 | 愛知県芸術劇場 小ホール |
料 金 | 【全席自由】 一般…(前売):2500円、(当日):3000円 学生…(前売):1500円、(当日):2000円 「AACサウンドパフォーマンス道場特別公演」との2公演通し券…前売:4500円、当日:5500円 ※学生:25歳以下で学生証要提示。 ※2公演通し券は一般のみ、愛知芸術文化センター内プレイガイドでのみ販売。 ※未就学児の入場はご遠慮ください。 |
プログラム
三輪眞弘《ひとのきえさり、藤井貞和の詞による序奏と朗読》(2013年 新作委嘱、日本初演)
足立智美《(タイトル未定)》(2013年 新作委嘱、世界初演)
ディルク・ライト、ギュンター・シュタインケ、トーマス・ノイハウス《エッセン三部作》(2013年 新作委嘱、日本初演)
ショーン・トーツァ《オール・チェインジ》(1981年)
ローランド・プフレングル《プロジェクション~テクノロジーと知覚》(2013年 新作委嘱、日本初演)
トム・ジョンソン《24個のパーカッション・インスタレーションのための2曲》(1985年)
出 演
ヴィジュアル・アーティスト:マーティン・リッチズ Martin Riches
指揮:マヌエル・ナウリ Manuel Nawri
ソリスト:足立智美 Adachi Tomomi (ヴォイス、エレクトロニクス)、
レスリー・オルソン Lesley Olson(フルート) 他
アンサンブル:KNMベルリン Kammerensemble Neue Musik Berlin
スタッフ
ディレクター:三輪眞弘、ローランド・プフレングル
音響:有馬純寿、スカンダー・カルタディナータ
舞台監督:鈴木英生(カノン工房)
制作:福永綾子(ナヤ・コレクティブ)、エルケ・モルトリヒト
アドヴァイザー:カール・ストーン(音楽家・中京大学教授)、
松井茂(詩人・東京藝術大学大学院情報芸術センター)
東京公演(2014年2月11日(火・祝))については こちら↓
http://www.purple.dti.ne.jp/naya/HBM/index.html
登場するマシン群
◆シンギング・マシン
今回のコンサートに向けて、岐阜県情報科学芸術大学院大学(IAMAS)の高橋裕、松本祐一と共同開発。トーキング・マシンと同様のアコースティック・シンセサイザー。モーター制御の喉頭や唇、舌などをもつ単独の機械の声道から、バリトンのアナログ・ヴォイスを発声させる。
◆フルート・プレイング・マシン
図形ミュージック・ロール(巻紙楽譜)にしたがって、アルトフルートを自動演奏。
http://martinriches.de/
fpmcmore.html
◆24個のパーカッション・
インスタレーション
24個、2オクターブのマリンバの鍵盤を、高さ2メートルのスタンドに設置。観客を取り囲んで配置し、1台のコンピュータが制御する。
http://martinriches.de/
percmore.html
◆トーキング・マシン
32個の発声パイプを持つ音声合成機。英語、ドイツ語、日本語を含む300以上のボキャブラリーを持つ。
下記のリンク先から、英語で1から20を数える様子を聞くことができる。
http://www.floraberlin.de/
soundbag/index53.html
#soundbag
そのほかにも登場予定。
1. シンギング・マシン Photo: Martin Riches
2. フルート・プレイング・マシーン Photo: Hermann Kiesling
3. 24個のパーカッション・インスタレーション(部分)
Photo:Roman März
トーキング・マシン(部分) Photo: Martin Riches
ミュージック・マシン 公開デモンストレーション
日 時 | 2014年2月5日(水)12:00~20:00 公開設営、展示 6日(木) 10:00~20:00 展示 19:00~19:20 デモンストレーション演奏(予定) 7日(金) 10:00~14:00 展示(予定) |
会 場 | フォーラムⅡ(地下2階) マルチビジョン前 |
料 金 | 無料(申込不要) |
フォーラムにて、公演で用いるマーティン・リッチズ製作のミュージック・マシンの一部を、 公開で組み立て、展示、デモンストレーション演奏を行います。
プロフィール
(ヴィジュアル・アーティスト)
1942年、イギリス、ワイト島生まれ。ロンドン、AAスクールで建築を学び、1978年まで建築家として活動。人間の発話を模した《トーキング・マシン》や《フルート・プレイング・マシン》など数多くの音楽機械、及びキネティック、インタラクティブ・インスタレーションを制作。それらの作品はこれまでインスティテュート・オブ・コンテポラリー・アーツ (ICA)、 ヘルシンキ現代美術館、ニューヨーク科学ホール、NTT インターコミュニケーション・センター (ICC)、パリ市立近代美術館、カールスルーエ・アート・アンド・メディア・センター (ZKM) 等に展示されている。1999年《インタラクティブ・フィールド》でICCビエンナーレ'99 準グランプリを受賞。ベルリン在住。
http://martinriches.de/
トーキング・マシンに話し方を教える
マーティン・リッチズ氏
©Martin Riches
(指揮)
1974年生まれ。指揮法をステファン・アスバリー、シャーン・エドワーズ、ヨハネス・カリツケ、ツォルト・ナジ、フランク・オルーに学ぶ。エトヴェシュ・ペーテル等のアシスタントを経て、アンサンブル・モデルン、バーゼル・シンフォニエッタ、KNMベルリン等のゲスト指揮者として活躍。「ワルシャワの秋音楽祭」や「パリの秋音楽祭」「ルツェルン・フェスティヴァル」等ヨーロッパの主要フェスティヴァルに出演している。これまでに220を超える初演を手がけ、ヨーロッパをはじめ、アメリカやオーストラリア、韓国などのラジオ局にて収録を行う。2008年よりハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで教鞭をとる。
(ヴォイス、エレクトロニクス)
作曲、ヴォイス、エレクトロニクス パフォーマー/作曲家。 ヴォイス、各種センサー、コンピュータ、自作楽器によるソロ演奏、音響詩、舞台音楽など幅広い領域で活動し、ヤープ・ブロンク、ニコラス・コリンズ、高橋悠治、坂田明、一柳慧、カール・ストーン、飯村隆彦、伊藤キムらと共演。またインスタレーション作家、映像作家としてもキャリアがあり、非音楽家との大規模なアンサンブルのプロジェクトもおこなう。世界各地のオルタナティヴ・スペースの他、ポンピドーセンター、STEIM、エクスペリメンタル・インターメディア・ファンデーション、テイト・モダンなどで公演している。2012年DAAD(ドイツ学術交流会)招聘作曲家。ベルリン在住。
(フルート)
シカゴ生まれ。イリノイ大学にて、チャールズ・デランシーとアレキサンダー・マレーにフルートを、ヘルベルト・ブルンに作曲を学び、1984年音楽修士、1998年音楽芸術博士号取得。ソリストまたはアンサンブルメンバーとして、アメリカ合衆国、南アメリカ、カナダ、日本、ドイツ、オランダ、スイスなど各地をツアー。ラジオやCDのプロデュース多数。Wolpe Trioの結成に参加、アメリカ合衆国やヨーロッパの主要フェスティバルやレコーディングで50曲を超える新 作初演を行う。1990年よりドイツ在住。エッセン芸術大学にてフルートと現代音楽を教えている。
photo: Eberhard Ross
- 主 催 :
- 愛知芸術文化センター企画事業実行委員会、ナヤ・コレクティブ
- 協 力 :
- 情報科学芸術大学院大学 [IAMAS]
(新しい時空間における表現研究プロジェクト) - 助 成 :
- 平成25年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業(活動別支援事業)
ドイツ連邦文化財団、公益財団法人野村財団、
公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団