Me and I
Me and I" photo: David Ho
    共催事業
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  CJ8カナダ/日本 ダンスパートナーシップ
  2001年6月6日(水)、7日(木)愛知県芸術劇場小ホール
  主催:  カナダ/日本 ダンスプロジェクト実行委員会
  共催:  愛知県文化情報センター(名古屋公演)

千年紀を祝し、日本及びカナダのコンテンポラリーダンスのアーティストたちが、 両国で発表するための新作を協力して創り上げた。

企画の目的は、共同制作を行うことによって両国のダンス界の芸術活動に関しての 理解を深めるとともに、国際的なコラボレーションが有意義であるという認識を高めること。 そしてその作品を両国で発表することにより、両国の現代アーティストの業績に関する、 両国の人々とメディアの認識を高めること。またこの企画を推進することによって、 両国の関係者の交流を促し、二カ国間の文化交流を更に盛んにすることであった。

公演当日は会場も満席で、大変な人気の高さが見られた。振付陣、出演者とも、 ここまでのメンバーが揃うダンス公演はこの地域では滅多にないということで、 たくさんのダンス愛好者が心待ちにしていたようだ。またこれは地元の人々に限らず、 東京、京都で公演が見られなかったと遠方から駆けつけた人たちもみられた。

全体構成は、およそ10分間の小作品を途中休憩を挟んで8本上演するというもので、 日本、カナダそれぞれの振付家の特徴がどの作品にも表れ、8者8様の独創性の見られる ものであった。これは今までコンテンポラリーダンスを見たことがない、といった 人々にも評判で、「コンテンポラリーは高尚」「理解しがたい」という思い込みの枠を外し、 「もっと観たい」へと変える大きな一歩となったと感じた。


"She Who Devours the Moon"
  photo: David Ho


"Feather"  photo: David Ho

 < 上演作品 >
作品 振付出演
Sora No Sakana / Fish Floating Night Sky 山崎広太Robin Calvert
Moi Qui TremblaisSerge Bennathan 池田素子、佐藤美紀、
野中ゆかり
VIA Holy Body Tatto
(Dana Gingras & Noam Gagnon)
鎌倉道彦、椙本雅子
She Who Devours the Moon 山田せつ子Susan Elliott
Feather島崎徹 Graham McKelvie
James Robertson
Me and I伊藤キムDominque Porte
TankaLouise Bedard 今津雅晴、大塚啓一、
藤田善宏
Grey Suit But Black DressTedd Robinson 笠井瑞丈、川野眞子

  日中友好交流美術展

  2001年10月10日(水)〜13日(土)
  1. 美術展示 アートスペースGH
  2. シンポジウム「現代中国画の現状と発展方向」 10月11日(木)アートスペースEF
  3. 中国絵画技法セミナー 10月11日(木)アートスペースEF


  「ロダンと日本」展記念コンサート
  2001年6月29日(金)、30日(土) 愛知県芸術劇場小ホール
  主催: 「ロダンと日本」展実行委員会、愛知県文化情報センター
  助成: 財団法人野村国際文化財団
  出演:  瀧井敬子(構成とお話)、寺田農(特別出演・朗読)、藤原睦子(長唄三味線)、
相川麻里子(ヴァイオリン)、加藤亜依(パーカッション)、橋本明希(ソプラノ)、
鈴木真為(筝)、前田健治(ピアノ)、赤井裕美(ピアノ)

 プログラムT(6月29日):「ロダン受容と明治の洋楽」
第一部 花子と同時代に生きた女流音楽家、幸田延
J.S.バッハ: シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番BWV1004より)
作者不詳: 長唄《雛鶴三番叟》
幸田延(グループ"杜"&清水昭夫 補作曲): ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調
第二部 ロダン受容のあけぼのと瀧廉太郎
瀧廉太郎: 組歌《四季》(「花」、「納涼」、「月」、「雪」)
瀧廉太郎: ピアノ曲《憾み》
幸田延: ヴァイオリン・ソナタ ニ短調

 プログラムU(6月30日):「音楽のジャポニスム」
第一部 『悪の華』で交錯するロダンとドビュッシー
ドビュッシー:歌曲《ボードレールの5篇の詩》より
    「恋人たちの死」、「露台(バルコン)」、「夕べの諧調(ハーモニー)」
ドビュッシー:ピアノ曲集《前奏曲》第1巻より「もろもろの音も香りも、夕べの空中を廻る」
ドビュッシー:歌曲《ボードレールの5篇の詩》より「沈思」
第二部 音楽のジャポニスム
東京音楽学校篇(文部省音楽取調掛撰):《箏曲集》より「六段ノ調」
東京音楽学校篇(文部省音楽取調掛撰):《箏曲集》&ディットリヒ:
    《日本楽譜》より「落梅」  日本古謡《さくら》をめぐるパノラマ 
ピゴット:「Sakura」、ディットリヒ:「Sakura」、サーントー:歌劇《台風》より「Sakura」
ラスカ:《日本旋律》より「Sakura」
ヴェルクマイスター:ピアノ曲《私の日本の鞄から》 フモレスケ

このコンサートは、愛知県美術館で開催された展覧会「ロダンと日本」の関連事業と して、展覧会をより深く理解し、さらに視野を広げてもらうことを意図して、特別開催 されたものである。
プログラムは幸田延、瀧廉太郎、ドビュッシー、ディットリヒなど、彫刻家ロダンと 同時代のヨーロッパと日本の音楽家に光を当て、日本における洋楽草創期の文化的な関係を わかりやすく解き明かすべく、構成された。

「ロダンと日本」展記念コンサート

演奏にあたったのは、取り上げた作曲家とも なじみの深い、東京藝術大学および大学院出身の新進気鋭の演奏家たち。 1日ごとにテーマを設け、音楽評論家、瀧井敬子の話を交えつつ美術・音楽・文学の つながりを探った。またこのコンサートでは、スライドを使用したり、俳優、寺田農の 朗読があったりと、内容に富んだものとなった。来場者からは、おもしろかった、 興味深い企画だ、といった声があがり、大変好評だった。

(関本淑乃)


  第41回トヨタ・アートマネジメント講座名古屋セッション −総合3−
  「アートで、つながる −芸術活動と地域社会を結ぶ橋渡し役・ アートマネジメントの真相とは−」
  2002年1月13日(日)、14日(祝)アートスペースA、D、E、F室
  主催: トヨタ・アートマネジメント講座名古屋セッション実行委員会、 トヨタ自動車株式会社
  共催: 愛知芸術文化センター企画事業実行委員会、 愛知県トヨタ販売会社グループ

  合同セッション「アートと地域をつなぐマネジメント」
  分科会 1: 「アウトリーチについて」
  分科会 2: 「ネットワークの構築について」
  分科会 3: 「企業メセナへのアプローチ」

名古屋で2回目となった今回のTAMでは、アートマネジメントを考える際、最も重要な 課題のひとつである様々な"つながり"をテーマに、合同セッションと3つの分科会で 参加型の討議を行った。参加者は113名と定員を上回り、その内の40%の方が県外から であった。これは各地でアートマネージャー志向の輪が着実に育ってきている証とも 言えよう。また、参加者層が実際に企画・制作等にたずさわる実務経験者の方が多かった のもひとつの特徴であった。事前に参加者から募った仮の企画書をもとに プレゼンテーションを行ったワークショップは大変好評で、参加者からは 「時間が足らなかった」「もっと深く話し合いたかった」などの熱いコメントが アンケートで寄せられた。

第41回トヨタ・アートマネジメント講座名古屋セッション

各分科会の概要は、1では、ワタリウム美術館や小出郷文化会館における斬新な アウトリーチ活動の事例紹介と、グループ課題研究が行われた。2では、各講師が それぞれの立場で構築してきたという地域社会・市民・自治体とのつながり、 行政とのつながり、同種の活動拠点同士(劇場間など)の基礎的な各ネットワークが 機能するためのアートマネージャーの役割として、ひとりひとりが主体的に関わり、 自分の能力を出せる場をつくっていくことの重要性が提示された。3では、メセナ支援 申し込みのケーススタディと、それに対する企業側の率直な印象が述べられるなど、 全体として参加者にとって今後の企画制作等に大変参考となる講座であった。

(中村章子)


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