ピント(振付)&ポラック(演出)インタビュー
インバル・ピントアブシャム・ポラック
新作のリハーサルがテルアビブの国立オペラ座スタジオにて本格始動!
リハーサル5日目のインバル・ピントとアブシャロム・ポラックに直撃!!
「創作は旅のようなもの」
アブシャロム・ポラック:まず、宮沢賢治を読み、情報を集めるところから始めました。
今回の作品は、「宮沢賢治と共に旅する」というプロセスの中から生まれたものだと言えます。特に宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』における二人の少年の関係に触発されて、人間関係や友情、つながりといった問題を創作の過程で扱っていきます。最初には、パートナー作りやカップルについての稽古をたくさんしました。
インバル・ピント:私たちがやっていることは、宮沢賢治の作品と同じように「旅」なのです。宮沢賢治は読者を旅へといざないますが、私たちもクリエーターとして、「創作」という旅に出るのです。旅の途中では驚くようなことも起こるでしょう。
これまでの稽古では、ある意味で「壊れた魂」「壊れた形」が整理されようとするところを扱ってきました。私たちはお互いにとっての背骨になります。ひとりが倒れると、もうひとりがその背骨、あるいは支柱になって支えてあげる。私たちは自分をモノだとシミュレートしています。モノは、吊るされたり寄りかかられたり引っぱられたり、他の力に操られたり利用されたりすることがあります。
アブシャロム・ポラック:「人間の魂(ソウル)とは何か」について何度か話し合いました。これは宮沢賢治とも非常に関連性のあるテーマです。人よりもむしろモノの中にある魂ということ。人間もまたモノになろうとし、内に魂を持つようになります。哲学的に考えるなら、色々な出来事やシチュエーションの中で魂や精神を探す人間たちの背骨ということになります。
開次とは以前にも一緒に仕事をしてよく知っていますが、これまで一緒に仕事をしたことのない人とはじめて仕事をするということは、これもまた未知の領域に足を踏み入れ、変化するということです。開次も真太郎と5日間一緒に稽古してみて、とてもいい変化を感じています。開次も真太郎も素晴らしいダンサーで、素晴らしい個性の持ち主です。私たちがあらゆる創作行為において求めているのは、いつも何か新しいものを創り、実験をし、新しいものを学び、新しい人々と出会うということです。二人が我々に与えてくれるのと同じくらいのものを、我々も二人に返したいと思っています。つまり、これは交換なのです。
インバル・ピント:二人はたくさんの素晴らしい知識や精神を持ってきてくれたので、一緒に働くのは素晴らしいことです。真太郎とは初めて一緒に仕事をするのですが、真太郎はとてもオープンな状態で来てくれました。彼がダンスをすると、他の人はそのダンサーとして、パフォーマーとしての知識を理解し、そこから学ぶことができるのです。それは素晴らしく、また美しいことだと思います。
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