<パブリック・アート「芸術と都市空間」>
1. 講演会 ダニ・カラヴァン「東方への旅の足跡」
1995年7月6日(木)19:00 アートスペースA
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2. パブリック・アート劇場
1995年7月7日(金)19:00 小ホール
出演: 名古屋芸術大学演劇部
トークゲスト: |
相羽洋一(弁護士)、池田 修(PHスタジオ) 上本裕保(アートコーディネーター)
平田哲生(景観アドバイザー、名古屋芸術大学助教授)
堀越哲美(都市環境プランナー、名古屋工業大学教授)他 |
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3. シンポジウム「都市芸術の機能と意味をめぐって」
1995年7月8日(土)13:30 アートスペースA
北川フラム(アートディレクター)、村田真(アートジャーナリスト)他
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4. P.A.V−都市の幸福
1995年7月4日(火)〜9日(日) フォーラムII
芸術大学大学院生らによるパブリック・アート提案の展覧会
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芸術作品は、都市に彩りをそえ、地域の歴史を物語り、道行く人に問いかける。
「ファーレ立川」や「新宿アイランド」のような大規模なものから、街路や公園の
彫刻作品、仮設的なインスタレーションまで、今日、都市空間に芸術作品を設置する
ケースが増えている。そこでは、周囲の環境との対話がはかられ、地域の共同体との
連携が求められる一方、そのあり方をめぐって、いくつかの問題もまた実際に起き
はじめている。
「芸術と都市空間」では、セルジ=ポントワーズの大都市軸やポルト・ポウのヴァルター
・ベンヤミンのモニュメントなどで著名な彫刻家、ダニ・カラヴァンのレクチャーと、
パブリック・アートをテーマにした演劇と専門家らによるトークのジョイント、アート・
ディレクター北川フラムらによるシンポジウム、そして都市空間をテーマにした芸術大学の
大学院生らによる展覧会を開催し、現代社会において芸術が果たす役割とその意味を問い、
これからの街づくりと芸術のかかわりを考えていった。
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<パブリック・アート写真展>
「水・緑・光−ヒトの集う空間」〜海外にみる都市の環境芸術〜
1996年3月19日(火)〜31(日) アートスペースG・H
撮影: 樋口正一郎(都市造形評論家)
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都市文化の先進国、欧米がいかに自然と共存しながら美しい街を維持し、つくろうと
してきたかを造形評論家樋口正一郎撮影による写真展で報告。世界各地の都市の過密化や
老朽化に対する、美術家による環境開発の試みとその成果を146点の写真パネルで紹介。
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<パブリック・アート シリーズ・レクチャー>
第1回 「こころを癒す芸術−病院建築とパブリック・アート」
1996年2月14日(水)19:00 アートスペースE・F
講師: グラハム・クーパー(アート・アンド・アーキテクチャー(イギリス)会長)
加藤彰一(名古屋大学工学部助教授)
第2回 「都市を形成する芸術−駅と空港のパブリック・アート」
1996年3月20日(水・祝)15:00 アートスペースA
講師: 樋口正一郎(都市造形評論家)
第3回 「パブリック・アート設置システムの比較文化論」
1996年3月24日(日)15:00 アートスペースA
講師: 竹田直樹(都市研究者)
第4回 「都市の公共性と芸術−パブリック・アートのめざすもの」
1996年3月29日(金)19:00 アートスペースA
講師: 樋口正一郎(都市造形評論家)、 片木篤(名古屋大学工学部助教授)
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パブリック・アートが抱える問題の根源には、パブリック・アートを何のために
設置するのか、設置しようとする「公共の」空間なり建物の意味をどう捕らえるか、
という設置者(SPONSOR)の目的設定の問題がある。咋年、総論としてパブリック・アート
の公共性をテーマとしたのに引き続き、今回のシリーズでは、その各論として、
第1回と2回で、からだとこころの癒しの場(病院)や人々が旅立ち通過する場(駅・空港)と
具体的に特定した設置空間での実例を、さらに第3回では、内外のパブリック・アート
設置システムの比較をとおして、その背景にある「目的設定の問題」を検証した。
また、第4回では、まとめとして、都市の公共空間の中で領域を拡げつつあるヨーロッパや
アメリカのパブリック・アートの例をひきながら、今後のパブリック・アートの方向性を
探った。また、咋年度にひきつづき、講演会講師執筆によるパブリック・アート・
レクチャー・シリーズ'96「都市景観と彫刻2」を出版した。
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<パブリック・アート データ・ベースの構築>
文化情報センターでは、パブリック・アート、すなわち「公共空間に設置された彫刻作品」
を対象とした調査を平成2年度から継続しており、平成7年度末までに全国3120件の作品
データを収集した。
パブリック・アートの設置は日本各地で盛んに行われており、自然景観、市街地景観や
地域の歴史や産業など地域性を考慮にいれた街づくり事業として展開されたり、
ファーレ立川や新宿アイランドのようにアートプランナーの存在を介しての新しい
設置システムが取り入れられ成功を収めている。こうした社会的背景をふまえ、
データベース構築はテーマをもった一連の設置事業にたいし、フィールドワークを行い、
情報収集をし、現場から得られる情報と、プロのカメラマンによる統一の視点による
作品画像を施設内のコンピューター端末及び印刷物により、作品情報と作家情報という
ふたつの形で提供している。作品設置を検討中の自治体担当者などからの照会もあり、
今後もさらにデータを整理していく必要がある。
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