「瀕死の白鳥」の衣装ほか
「瀕死の白鳥」の衣装ほか
  展示: アンナ・パヴロワと20世紀の黎明
前へ 自主企画事業報告書 > 2000年度 > 展示:アンナ・パヴロワと20世紀の黎明 次へ
<展示:アンナ・パヴロワと20世紀の黎明>
  2000年4月18日(火)−23日(日) アートプラザ
  協力:  日本文化芸術振興会、薄井憲二
<トーク&展示解説:アンナ・パヴロワの足跡>
  2000年4月20日(木) アートプラザ・ビデオルーム
  講師:  薄井憲二
<上映会:ロイヤル・バレエ団のドラマティック・バレエ>
  2000年4月18日(火)・19日(水) アートプラザ・ビデオルーム

ロシアのマリンスキー劇場、ディアギレフのバレエ・リュスを経て、1910年に自らのバレエ団を結成したバレリーナ、 アンナ・パヴロワは、ロンドンでデビューを飾った後、世界各国を巡回、多くの人々に感銘を与えてきた。中でも、バレエ・リュスの 最初の振付家、ミハイル・フォーキンが振付けた『瀕死の白鳥』は、今もなお、モダンバレエ萌芽期の名作として20世紀のバレエに 輝かしい1ページを残している。

英国ダンスの上映会にあわせて開催したこの展覧会では、世界中にバレエブームを巻き起こしたアンナ・パヴロワが 日本や世界を巡回した際の公演プログラムや、自身の手による彫刻、公演のポスター等の展示から、20世紀最大のバレリーナの 足跡を追いつつ、20世紀のバレエの黎明期を振り返った。

展示では新国立劇場をはじめ、東西から多くの資料を借りることができ、充実した内容となった。今回初めてアートプラザという 展示会場以外の空間を使用し、空間とのコラボレーションともなった。閲覧スペースやビデオライブラリーの中をぬっての展示となり、 多少煩雑な印象となってしまった気もするが、通常の空間をいきいきとした活気溢れる展示空間に変容させることができたのでは ないかと思う。そして偶然この場を訪れた方々からも多くの反響があり、たくさんの人々の目に触れることができたことは 意義のあることだったと思う。

また、バレエ史家の薄井憲二によるトークでは、一般的な話にとどまらず、資料収集家らしい資料を基にした具体的な話に加え、 実際の作品を見ながらのギャラリートーク形式の作品解説も拝聴できるという大変贅沢な内容となり、参加者は皆大変満足していたようだ。

パヴロワのライブマスク
パヴロワのライブマスク
パヴロワ作『蜻蛉』
パヴロワ作『蜻蛉』
アートプラザの展示風景
アートプラザの展示風景
薄井憲二
薄井憲二

それ以外にも関連企画として、アートスペース内のビデオ上映スペースにおいても、「ロイヤル・バレエ団のドラマティック・バレエ」と 題した上映を行い、英国の誇る振付家、フレデリック・アシュトンの『リーズの結婚』とケネス・マクミランの『マノン』、ビデオ版の アンナ・パヴロワの映像等からも英国のバレエを紹介した。

英国のダンスに関して、愛知芸術文化センターのアートスペースやアートプラザ等、多様な場所を使用し、いくつかの テーマに基づいた上映、展示、デモンストレーションを行うことによって、愛知芸術文化センターの複合性を効果的に示しながら 多くの人々の目に触れ、理解してもらう良い機会を提供できた。

(唐津絵理)

撮影 : 薄井氏写真を除く4点 南部辰雄


前へ このページのトップへ 次へ