2000年7月7日(金)-9日(日) アートスペースA |
主催 : |
愛知芸術文化センター、ポルトガル映画祭組織委員会、
ポルトガル大使館、朝日新聞社、(財)国際文化交流推進協会 |
助成 : |
国際交流基金 |
協賛 : |
トヨタ自動車株式会社 企業メセナ協議会認定事業 |
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映画においてポルトガルは、映画生誕よりほどなく製作を開始した、世界でも長い歴史を
持つ国のひとつである。こうした背景にもかかわらず、日本におけるその紹介は、1980年、
パウロ・ローシャ監督『青い年』(1963)と『新しい人生』(1966)の劇場公開が初めてで
あったという、ごく短い歴史があるにすぎない。しかしながら「ポルトガル映画」は、
20世紀末の今日、世界の映画シーンにおいて、極めて重要な位置を占めている。
近年、日本でも比較的コンスタントに紹介されるようになった、サイレント時代から90歳を
越える今日まで精力的に映画を撮り続けている巨匠マノエル・デ・オリヴェイラの作品に
明らかなように、映画を、ドラマを演じる人間たちと、それをドキュメントする媒体として
のフィルムの、その両極を行き来する振幅の力学という、極めてシンプルな構造の中で
捉える実験的精神に、「ポルトガル映画」の独自性がある。つまり、フィクションと
ドキュメンタリーの振幅において、ユニークな映画を作り続けている「イラン映画」と
ともに、今世紀末の映画におけるひとつの極を形成している、といえるのである。
この上映会では、1980年に映画製作を始め、オリヴェイラに再び活動の機会を与える
などし、今日「ポルトガル映画」が世界的に注目を集める契機をもたらしたプロデューサー、
パウロ・ブランコに焦点を当て、彼の製作作品から、その豊穣かつ多彩な状況を照らし
出すことを意図した。会期中は、映画愛好家はもちろん、ポルトガルという国に対する
興味からも、多くの観客が会場を訪れ、各回とも観客が100名を越えるという活況を呈した。
オリヴェイラの新作『クレーヴの奥方』(1999)の他、極めてユニークなジョアン・
セーザル・モンテイロの2作品や、テレビ・シリーズとして企画され、若手・中堅監督たち
の実験的な競作「四元素シリーズ」(1991-92)4作品の一挙上映等が話題を呼んだ。
(越後谷卓司) |
『世界の終り』
『ここより遠く』
『神の結婚』
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<上映作品> ※全作品とも35mm |
ジョアン・ボテリョ 『僕の誕生日』(四元素シリーズ「空気」)
Joao Botelho, "No Dia dos Meus Anos" 1991, 65min |
ジョアン・マリオ・グリロ 『世界の終わり』(四元素シリーズ「土」)
Joao Mario Grilo, "O Fim do Mundo" 1992, 63min |
ジョアン・セーザル・モンテイロ 『ラスト・ダイビング』(四元素シリーズ「水」)
Joao Cesar Monteiro,"O Ultimo Mergulho"1992, 94min |
ジョアキン・ピント 『ニ十歳の試練』(四元素シリーズ「火」)
Joaquim Pinto, "Das Tripas Coracao" 1992, 68min |
ジョアン・ゲーラ 『ここより遠く』 Joao Guerra, "Longe Daqui" 1993, 102min |
ペドロ・コスタ 『骨』 Pedro Costa, "Ossos" 1997, 98min |
ジョアン・ボテリョ 『トラフィコ』 Joao Botelho, "Trafico" 1998, 111min 協力: シネフィル・イマジカ |
ジョアン・セーザル・モンテイロ 『神の結婚』 Joao Cesar Monteiro,"As Bodas de Deus" 1999, 142min |
マノエル・デ・オリヴェイラ 『クレーヴの奥方』
Manoel de Oliveira,"La lettre"(A Carta)1999, 107min 提供: アルシネテラン |
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