<トーク&デモンストレーション>
2002年1月23日(水) アートスペースA
出演: 近藤良平
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<ワークショップ>
2002年1月25日(金)、26日(土) 愛知県芸術劇場大・中リハーサル室
講師: 近藤良平、
助手: 藤田善宏
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「裸足の工房with Dance」では、「誰もが自由になるために」をキャッチ・フレーズとして、
全ての人を対象とした開かれたダンスの体験型ワークショップを行ってきた。
5回目となる今回は、今もっとも人気の振付家兼ダンサーであり、カンパニーコンドルズを
主宰している近藤良平を招いて、「ワークショップ」と「トーク&デモンストレーション」
を行った。ワークショップのテーマは「動きの大発明時代!まずは力を抜きましょう」。
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<トーク&デモンストレーション> |
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今回はワークショップ参加者に限らず、実際にダンスを体験することはできないけれども、
振付家の生の話を聞いてみたい、という方も参加いただけるように、一般の方々にも開放して
「トーク&デモンストレーション」を開催した。
まず最初に、近藤良平あるいはコンドルズの作品に触れたことがないという参加者が
多いことを予想して、予め今回の催事のために近藤良平が特別に編集しておいたコンドルズ
の紹介ビデオを上映した。想像どおり半数以上の参加者がコンドルズの作品をはじめて
みたにもかかわらず、通常のコンテンポラリー・ダンスよりはかなり馴染みやすく、
楽しいパフォーマンスの映像に、会場から時折笑いが漏れていた。
次の近藤良平によるデモンストレーションでは、湯飲みや鞄、人形など日常的な
小道具を使うことにより、徐々に日常的な動きからダンスに発展させていく様子を分かり易く
みせた。その後、近藤良平が即興でダンスを踊ったが、パフォーマンスを行う近藤良平を
取り囲んで、目の前でみる迫力のあるダンスに観客はみな圧倒されていたようだ。
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デモンストレーション風景 |
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最後のトークでは、女性の多い日本のダンス界の中で、振付家を目指すことになった
動機や男性ダンサーだけでカンパニーを結成した経緯、映像や音楽などのダンス以外の
メディアへの関心、最新作『カタクリ家の幸福』(三池崇史監督)の振付についてなどの
司会からの質問に対して、非常に気さくに楽しい話を聞かせてくれた。また後半では、
司会の質問に加えて、一般の参加者にも多くの質問をもらうことにより(会場で紙を回し、
質問事項を記載してもらった)、様々な視点から沢山の話を聞くことができ、ダンスに
初めて触れた方のみならず、県外からわざわざ足を運んでくれた観客にも十分に満足の
いく催しになったと思う。
(唐津絵理) |
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<ワークショップ> |
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「動きの大発明時代!〜まずは力を抜きましょう〜」
【近藤良平からのメッセージ】
世の中には色々な種類の動き、踊りがありますが、 少し視点を変えてみるだけでダンス
作品の見え方は無論、日常においてあなた自身が体を動かす時の気持ちまで変わってきます。
今回のワークショップでは形式にとらわれないこと、色々な体の持つ特徴
(背が高い/低い、堅い/柔らかい、重い/軽いなど)をありのまま活かして「踊り」
なるものにしてゆくこと、を目指したりします。まずは体を動かすこと、そして何よりも
「力を抜くこと」に興味を持ってみましょう。お待ちしています。
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ワークショップ・リーダーとしての近藤良平は、2日間とおして「個性を活かす」ための
プログラムを行った。今回のワークショップの参加者は、初心者が多く、また年齢や出身も
幅広く、男性の参加もこれまでにないほど多くみられた。(話のできない障害をもった方の
参加もあった。)全体としても申込者が定員の2倍もあり、急遽定員を増員しての
ワークショップになったために、会場が少し狭く感じられたものの、参加者たちの熱気は
こちらの想像以上であり、始めに緊張していた未経験者も、最後にはのびのびとダンスを
楽しんでいたようであった。
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ワークショップ風景
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まず、からだの「力を抜く」ということからワークショップを開始した。ダンスの体験
ということで、身体を緊張させている参加者も多かったが、近藤は2人組で相手に触れる
動きなど、人とのコミュニケーションを図ることから、参加者を次第にリラックスさせて、
緊張をほぐしていった。近年盛んに行われるようになっているコンタクト・インプロビ
ゼーションは、人との関わりによって、動きを発展させていき、身体を通したコミュニ
ケーションを図っていくひとつ手法であるが、このコンタクトの簡単なテクニックなども
ワークショップにさりげなく取り入れることで、参加者が動きをつなげていくこと=つまり、
ダンスをするということ、の楽しさを発見するのに役立っていたようだ。
特に今回のワークショップでは経験のない方々のダンスを体験することへの関心が
さらに一層強くなっていることを感じた。加えて、近藤良平の明るい人柄や、誰にでも
できる動きの発展に、12歳から69歳まで、沖縄や関東から参加した幅の広い男女が
ひとりも欠けることなく、最後までワークショップを受講したことは、参加者たちの
ひとりひとりが、今後も何らかのかたちでダンスや現代の芸術に関わっていってくれる
ことを予感させるものであった。
(唐津絵理)
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撮影 : 南部辰雄 |
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プロフィール |
近藤良平(構成・振付・映像・ダンス) |
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ペルー、チリ、アルゼンチン育ち。1994年、山崎広太作品にメインダンサーとして抜擢され、バニョレ国際振付コンクール
本選に出場以来、笠井叡、木佐貫邦子などの作品にも出演。振付家としては、93年以降、毎年振付作品を発表。96年には
近藤を中心にしたダンスカンパニー「コンドルズ」を旗揚げ、全作品の構成・映像・振付を手がける。コンドルズのメンバーは
男性のみ、舞台衣裳は「学ラン」で結成当初から話題を呼ぶ。以降の日本公演の多くは連日の超満員、チケット完売で、追加公演も
行うほどの人気ぶり。00年からはアメリカを始めとして、アジアなどの海外ツアーも行っている。また、02年新春全国松竹系公開の
三池崇史監督最新作『カタクリ家の幸福』の作品中の全振付も担当した。
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