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「あいち芸術文化フェスタ2002」は、当センターの開館10周年と、栄公園オアシス21の
オープンを祝って開催された芸術フェスティバル。ということで、愛知芸術文化センター
の2階デッキから10月にオープンする栄公園オアシス21の「銀河の広場」にかけてすべてを
会場にしてしまおう、という前代未聞のイベントを企画することになった。
2つの会場をつなげて開催する屋外イベントは、その名もドッキリ「オアシス21+AAC
‘スーパー・ドッキング・セレモニー’『有頂天時代突入』」。その会場の特性を
生かして演出・振付を行ったのは、今や超人気の振付家・近藤良平。出演するのは
ダンスカンパニーコンドルズの個性的な男性ダンサーたち。そしてコンドルズの指導の
下、一緒にパフォーマンスを創り上げていったのは、一般公募で参加することが決定した
若手男性30名であった。
公募で日本全国から集まった18歳から26歳までの若手男性30名
(のちにコンドルズにより「ずんどるこ30」と名づけられる)は、公演の約2ヶ月前より
8回にわたるワークショップに参加し、これまでのコンドルズのレパートリーを含む
幾つかの曲を近藤良平に直々に振付けてもらう、という多くの女の子が男装してでも
出たがった、コンドルズ・ファンであったら涙ものの特別指導を受けることになる。
もちろん、コンドルズが公募の素人ダンサーと自らの舞台で共演するのは初めて、
そしてコンドルズ初の愛知公演、初の屋外公演と、お初づくしの見所いっぱいの公演
であった。
公演当日、芸文デッキで集合したダンサー総勢40名のガクラン姿に驚きの観客、
その観客を引き連れて、踊りながら(?)オアシス21の地下2階広場に移動する昼から
真っ黒なガクラン集団。異様な空気を察した人々が徐々に膨れ上がり、10M四方を舞台
とした広場でのパフォーマンスが始まったときには、地下の会場にも、1・2階の回廊
にも沢山の観客の輪が広がっていった。
屋外の無料公演はつまらなければすぐに席をたたれてしまう。しかしたっぷり
60分間、美味しいとこどりのダイジェスト版コンドルズ公演で、彼らはしっかりと
愛知の観客のハートを掴み、ダンスの魅力や可能性をたっぷりと披露してくれた。
コント的な演技をスパイス代わりにコンドルズお馴染みのパワフルなダンスや
ずんどるこによる群舞は、通り過ぎようとする人々の足をその場に立ち止まらせて
しまった。会場にはお年寄りから、小さな子どもまで始終笑顔の輪が広がって
いたことも記しておきたい。
(唐津絵理)
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コンドルズ (オアシス21にて)
ずんどるこ30 (オアシス21にて)
芸文センター〜オアシス21をつなぐ (階段にて)
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