現代インド映画を代表する芸術派の巨匠、サタジット・レイ。処女作『大地のうた』
(55)の56年カンヌ国際映画祭における受賞は、51年ヴェニス国際映画祭でグランプリを
受賞した黒澤明と並び、世界にアジア映画の最初の台頭を告げるものであった。
この映画祭は、日印国交樹立40周年を記念し、92年に惜しくも不帰の人となった彼の
業績をたたえ、代表作を精選した初の回顧上映会である。
世俗的な現実社会の中で精神世界の美を追求することの困難を描くその作品は、
時代を超えた共感を呼びび多くの観客が会場に詰めかけた。
当センターでは「インドヘの憧憬」シリーズとして、インドに関連する2つのコンサート
に併せ開催し、立体的な事業として構成した。
(越後谷卓司)
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『大地のうた』 (1955)
『大河のうた』 (1956)
『大樹のうた』 (1955)
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