ガムラン・メッセージ

   楽舞悠久〜ジャワのガムランと舞踊
前へ 自主企画事業報告書 > 1994年度 > ガムラン・メッセージ
楽舞悠久〜ジャワのガムランと舞踊
次へ
1994年6月29日(水) 19:00  愛知県芸術劇場コンサートホール
出演: インドネシア国立ヨグヤカルタ総合芸術大学
インドネシアの民族音楽「ガムラン」。伝統的なガムランと、世界各地のアーティストが 影響を受けて生みだした多彩な現代のガムランを紹介するシリーズ、 「ガムラン・メッセージ」の第一弾。伝統的なガムランとして、ジャワの宮廷に 伝わるゆったりと優美な音楽と踊りの公演を行った。演奏者は、宮廷の高度な伝統芸術を 伝承しながらも、一方で現代に相応しい表現を求めて創作活動を行っている、 インドネシア国立ヨグヤカルタ総合芸術大学の教授たちであり、30名が来日した。

会場は、西洋音楽のために設計されたコンサートホールだったが、ガムランの音も、 まるで現地のガムラン専用のホール、プンドポで聞くかのように、美しく官能的に響いた。 舞台の演出も、正面に据えられたパイプ・オルガンを隠さずに活かし、そのパイプの下から 舞台上まで、バティック(インドネシアの伝統的なろうけつ染めの布)を十数メートル垂らして 雰囲気を作り上げた。

プログラムは、青銅の打楽器の音が柔らかく香りのように広がり、聴き手を包み込む 古典器楽曲、同大学の作曲家による新曲、バティックの衣装を着飾った女性4人が非常に スローテンポで柔らかな動作を繰り返す舞踊「スリンピ」や、槍を手にした6人の男性が 勇壮に踊る「ラウォン」、大きな神鳥ガルーダの登場する「ゴレ・メナ」と、 多彩に展開した。民族音楽特有のエキゾチックな雰囲気に、緊張感と格調高さが加わり、 ガムランをよく知る人にとっても、初めて耳にする人にとっても、最後まで文字どおり 目と耳を奪われる公演だった。

公演にあたり、名古屋音楽大学所蔵の非常に古い貴重な楽器をお借りした。 記して感謝致します。
(藤井明子)




Photo : 南部辰雄

前へ このページのトップへ 次へ