ダンス・ルネッサンス

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<ダンス・ワークショップ I >
1994年10月1日(日) 13:00/17:00  愛知県芸術劇場大リハーサル室

講師: 米井澄江
<ダンス・ワークショップ II >
1994年11月27日(日) 13:00/17:00 愛知県芸術劇場中リハーサル室

講師: 木佐貫邦子

初めて開催した実際の体験型ワークショップでは、たとえ興味があったとしても、 全く経験のない人は参加することを躊躇しがちである。しかし、そんな人こそが 今回のターゲットであった。「これまでは舞踊家の踊るからだを観ていただけだけど、 自分のからだも見つめてみたくなった」と考えていた人。 特別なアートとしてのダンスではなく、普段使いの「からだ」への関心は、誰にとっても 身近なものであるはずだ。

「立つ」という誰もが行っていることから始めた米井。そして次に空間に椅子を置く、 という簡単な動作から、空間を意識することを導いていった。自分の身体を空間の どこに置くかによって、居心地の良さは変化する。隣に居る人との距離感も重要である。 日常あまりに当たり前で、気づかないでいたことに目を向け、そしてどんな時に自分の 身体を意識するのか感じることが重要であると語った。

一方、木佐貫は「形とイメージ」について提案していった。好きな形を決めて、 その形に自分を置いてみる。次にその形から抜けでてみる、「ポーズを創る」という ひとつの動きも、ただの動作ではなく、我々の意識が身体を泳いで形を決めていくのだ というひとつのプロセスを感じさせる。まっすぐ前に向かって「歩く」という動作でも 同じこと。前にある空間に向かって入っていく、という意識をもつか、 空間から出ていくと思いながら歩くか。同じように見えて正反対のイメージを もつことがわかる。
米井澄江

木佐貫邦子

誰もができる簡単な動きを通して、普段気づかないで過ごしている数々のことを、 独自のアプローチの方法をもって導いてくれた二人の舞踊家。「世界が広がった」 「自由になった」「いろいろな発見があった」。参加者のこれらの声はどれも、 実際に体験したからこそ語り得る実感であり、そして彼ら自身の見つけた自分だけの 解答なのであろう。

さらにどのように変化するのか、これからも継続的に開催していきたい。
(唐津絵理)
Photo : 南部辰雄

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