ヤン・シュワンクマイエル 『男のゲーム』
(1988)
 テーマ上映会

   「ボディ&イメージ パフォーマンスと映像表現」
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1994年9月30日(金)〜10月9日(日)  アートスペースA
<講演会>
10月5日(水) 講師: 飯村隆彦(映像作家)  ( * ジョルジュ・メリエス作品を参考上映 )
10月6日(水) 講師: 黒川芳信(映像作家)  ( * 映像によるデモンストレーションあり )

文化情報センターが開館以来追求してきたテーマである「身体」を正面から取り上げた 上映会である。これまでも「オリジナル映像作品」の制作などを通し、映像事業でも このテーマを扱ってきたが、上映会のテーマとして取り上げることは初めてであった。

「映像と身体」といってもこのテーマの指し示す範囲は極めて広く、そのため、 ある方向づけを行う必要がある。この上映会で意図したのは、これをより具体化する ために「映像と身体表現(=パフォーミング・アーツ)」との関係という観点から、 様々な時代やジャンルの作品を横断的にとらえ、映像表現が獲得した多様性と、 およそ100年に渡る歴史の中で培われた独自性を探ることである。

マジックをべースにしつつフィルムでしかなし得ない映画的トリックを開発した ジョルジュ・メリエスや、ボードビル芸を究極ともいえる映画的運動へと昇華した バスター・キートンなど、映像芸術のパイオニアたちの例を引くまでもなく、 「映像と身体表現」の間には深い関係があった。

そして、こうした両者のプリミティブな関わりは、パフォーマンス的要素を含んだ 今日の実験映画やビデオアートなどとも共通する側面を持っているのではないか。 この催しは、単なる舞台公演の記録といったレベルを越え、身体や身体表現を 映像メディアはどう捉え、表現するのか、という問題に対する、様々なアプローチの 集積ともいえるだろう。
(越後谷卓司)
<上映作品>

バスター・キートン
 『ハイ・サイン』 ('20)
ヤン・シュワンクマイエル
 『自然の歴史(博物誌)』 ('67)
ピーター・グリーナウェイ&
      トム・フィリップス
 『TVダンテ』 第1〜8歌 ('88)
河原敏文
 『恐竜マイケル』 ('93)
ほか全77作品(参考上映を含む)

バスター・キートン『ハイ・サイン』 (1920)


ピーター・グリーナウェイ&
トム・フィリップス『TVダンテ』 (1988)

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