1995年2月15日(水)〜26日(日) アートスペースA
<特別上映>
2月15日(水)、16日(木) 『メカス1991年夏』('94) 監督: 小口詩子
<講演会>
2月18日(土) 講師: 鈴木志郎康 (詩人・映像作家) /
2月25日(土) 講師: 吉増剛造 (詩人)
<関連展示>
「メカス&ウォーホル」2人展 アートスペースG
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ジョナス・メカスはリトアニア出身の詩人・映像作家で、第2次世界大戦後のアメリカの
実験映画を隆盛へと導いた中心的人物である。彼の作品は、日本でも60年代から今日まで
断続的に紹介され、当センターも開館記念事業の一環として行われたテーマ上映会
「家族の映像」の中で、代表作『リトアニアヘの旅の追憶』('72)を上映している。
今回の上映会は、本邦初公開となるビデオで制作した最近作までを含め、彼の作品11本を
個展形式によって特集したわが国では初めての試みである。開催年である1995年は
映画誕生100年にあたる年であり、映画史における「真の革命者」という観点から
メカスを取り上げた。
彼の作品のほとんどは日常に取材する「日記映画」と呼ばれる独自の手法によるものだ。
ここには、断片的、分節的な撮影・編集法によって家族との生活や友人たちとの出会い
などが捉えられ、その映像には人生の一瞬一瞬をかけがえのない大切な時間として
見つめる優しさに満ちている。
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<上映作品>
『営倉(ザ・ブリック)』 ('64)
ヤン・シュワンクマイエル
『自然の歴史(博物誌)』 ('67)
『ウォルデン』 ('69〜'88)
『リトアニアへの旅の追憶』 ('72)
『「いまだ失われざる楽園」、
あるいは「ウーナ3歳の年」』 ('77)
『ザ・テーブル』 ('91) * 本邦初公開
『セバスチャンの教育、
あるいはエジプトヘの回帰』 ('92)
* 本邦初公開
ほか全11作品
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メカスの名は一部の映画ファンにはよく知られているが、一般的な知名度は
それほど高くない。しかし、彼の作品が人々を引きつけたのだろうか、全11本を
約2週間に渡り各2回づつ上映したが、会期中、人伝てに噂が広がり、話題となり、
観客が映画ファン以外の幅広い層へと拡大していった様子が窺え、映画祭的な熱気を
感じさせる催しとなった。
(越後谷卓司)
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『ザ・テーブル』 (1991)
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『セバスチャンの教育、あるいはエジプトヘの回帰』 (1992)
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