連続講座  邦楽再発見

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アートスペース A
第1回 「アジアのなかの邦楽」  1995年7月8日(土) 18:00
小島美子(国立歴史民俗博物館名誉教授)

第2回 「邦楽の楽しみ」  1995年7月9日(日) 18:00
竹内道敬(国立音楽大学教授) /  三味線実演: 石森智子

第3回 「現代の音楽としての邦楽」  1995年8月6日(日) 13:30
山川直治(国立劇場芸能部演出室専門員)

音楽そのものは実際の演奏を聴き体感するものだが、音楽に関する知識を得ることに よって異なる側面の楽しみを見いだすことができる。とりわけ、民族音楽を支える 文化的・歴史的な知識や、現代音楽で作曲家のコンセプトや流れを知ることによって、 パフォーマンス自体をより楽しむことができるだろう。
そこで「日韓音楽祭」の、第3部で邦楽"勧進帳"、第1部で祭り囃子をべ一スにした 新しい音楽を演奏するにあたり、これらをきっかけとして近世邦楽を中心に、 日本の音楽について再発見することを意図する連続講演会を行った。

なお、「邦楽」という言葉は、近世起源の箏曲・三味線音楽の系統のいわゆる近世邦楽を 指す場合と、洋楽に対して日本の音楽全般を指す場合があるが、今回の講演会では、 タイトルの「邦楽再発見」および第1回では後者を、第2回、3回のテーマでは前者を指す。


Photo : 南部辰雄
第1回では、韓国音楽との対比も念頭に置きながら、アジアの民族音楽のなかでの 日本の音楽の特徴や位置づけについて、第2回は、邦楽の音楽構造や楽器の特徴などの 基礎知識とともに、「日韓音楽祭」で演奏される長唄"勧進帳"を例にして邦楽の 楽しみ方について、そして第3回では、最終回として、邦楽の新しい試みについての 講演である。3回で概要をつかめることを考慮した。

それぞれの専門家による講演は、邦楽に関心はあっても近寄りがたいという初心者を 対象としたこともあって、第2回では三味線の実演、他の回でもテープやビデオ資料を 交えたわかりやすい内容で好評だった。パフォーマンスと関連しながらも独立した このような連続講演会は、今後も続けたいと考える。
(藤井明子)

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