この催しは、愛知芸術文化センターをパフォーマンスと出会う空間にすることを
目的に行った。
公演に先駆け、ストリートパフォーマンスを学ぶワークショップを行った。
講師のT・ストラッチャンは、クロームのパフォーマンスを歩く、歌う、
パントマイム的な踊りなどの構成要素に分けて解説し、参加者が自分達で
パフォーマンスを創り演じるよう指示した。参加者は6つのグループに分かれ、
異なるテーマに基づいたパフォーマンスを創り、クロームと共に公演を行った。
クロームのパフォーマンス・スタイルは、音楽、ダンス、演劇、パントマイムなどの
要素が組み合わさったものだが、身体の動き、音、表情、衣裳など全てが
パフォーマンスの一部として洗練されていた。彼らは、既存の設備を巧みに使い、
周囲の雰囲気や環境に合わせて即興的に内容を変化させる。そして観客はもちろん、
センターを訪れてたまたま通りかかった人も多数惹きつけた。
ユーモアにあふれる彼らのパフォーマンスは、オープンスペースでの公演として
非常に優れたものだった。
また公演は、センターに隣接する久屋大通公園からセントラルパーク地下街でも行われた。
館外に出たクロームは一層自由にパフォーマンスを繰り広げた。
会場を初めて芸術文化センター周辺の地域まで広げたこの試みは、センターの活動が
地域社会に根ざし、関わりをさらに深めてゆく一歩である。
(藤井明子)
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<クロームワークショップ>
1996年12月11日〜15日、
1997年 2月1日〜7日
愛知県芸術劇場中リハーサル室
講師: トニー・ストラッチャン
<クローム&クローン
ストリートパフォーマンス>
1997年2月1日〜7日 (クローム)
1997年2月8日〜11日 (クローム&クローン)
愛知芸術文化センターフォーラム
セントラルパーク地下街
クローン衣裳: 石田佳代子&稀温
後援: オーストラリア大使館
オーストラリア領事館
協力: 名古屋日豪ニュージーランド協会
(株)セントラルパーク
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