デュスカ・シフォニオス「ボレロ」*
 コンテンポラリー・ダンスシリーズ 1

ダンス・フランセーズ特集
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ビデオ・ダンス上映会 「フランス・ダンスの100年」
1998年1月16日(金)・17日(土)  アートスペースA/大リハーサル室
(ニコラ・ヴィロードルによるレクチャー「ダンスとシネマ」開催)
ダンス・ワークショップ
1998年1月17日(土)・18日(日) 大リハーサル室
(ニコラ・ヴィロードルによるレクチャー「ダンスとシネマ」開催)
講師:関原亜子  音楽:吉見征樹(タブラ)
トーク・セッション
1998年1月18日(日) アートスペースE F
パネラー: ニコラ・ヴィロードル、松澤慶信、関口紘一
特別協力: シネマテーク・ド・ラ・ダンス
協力: ランドマークホール、三菱地所、APA(芸術振興協会)、関口紘一
後援: 東京・横浜・日仏学院、
フランス大使館

上映会、ワークショプ、トーク・セッション等によりダンスの潮流を多様な角度から 紹介するコンテンポラリー・ダンス・シリーズ。

このシリーズの最初に行われた上映会「フランス・ダンスの100年」では、 パリのシネマテーク・ド・ラ・ダンスの所蔵ビデオより、近代以降のバレエ、 ダンスの映像を32本上映した。特にバレエ・リュス、モダン・バレエの世界 (モーリス・ベジャール、ローラン・プティ)、ヌーベル・ダンスに影響を与えた舞踊家、 フランス・ヌーベル・ダンスという4つのプログラムで上映することにより、 世界のモダン・バレエ、モダン・ダンスの潮流を辿り、ダンスそのものの歴史を俯瞰する ことのできる上映会となった。 日本ではほとんど観ることのできないアルヘンチーナ等のダンサーや舞踊界のみならず 美術、音楽等のパリの芸術に多大な影響を与えたバレエ・リュスの映像等、多くの幻の 映像の公開とあって、遠く四国や関西からも沢山の観客が訪れ、期待に違わず楽しんでいた。

続くワークショップでは、フランスのコンテンポラリー・ダンスの草分け的存在である ペーター・ゴスの下で学んだ関原亜子によるダンスのクラスを開催し、フランスの ダンスのレッスンの一部を体験してもらった。ペーターの稽古場がモダン・ダンス、 バレエを問わず、現在フランスで活躍する多くのダンサーが出入りしていたこともあって、 上映会に引き続いて、バレエ経験者(指導者も含む)がこれまでになく多かったが、 この地域でバレエを学ぶ人々の中にも、新しいダンス・テクニックや身体の使い方に 関心をもつようになってきた人が増えつつあるのだと実感した。ペーターの身体知覚方法を 基にしたクラスでの内容は、どの参加者にも初めての動きばかりで、参加者の多くが 苦心をしていた。 しかしそれ故にこれまでとは違う発見があったり、何らかの刺激を受けていたようだ。
ジャン・バビレ「若者と死」


ニジンスキー「牧神の午後」*


関原亜子
最終日には「モダン・ダンスとバレエの共存」というテーマで、一歩踏み込んだ トーク・セッションを開催した。例えば世界最古のバレエ団パリ・オペラ座では、 伝統的なバレエと現代的なヌーベル・ダンスが共存し、時には互いに振付を依頼する 等の交流も行われながら、今日まで世界をリードし続けている。そこでモダン・ダンスと バレエの交流が、それほど盛んに行われているようには感じられないこの地域のテーマと して「モダン・ダンスとバレエの共存」を設定した。ここでは幅広くダンスの歴史に触れ ながら、参考のビデオ上映を挟みつつ、3名のパネラーがテーマを言及していった。 内容はこの地域のダンス界の状況にも指針を与えるものになり、参加者は熱心に話に 聞き入っていた。また質疑応答では、多くの質問が出され、参加者は皆非常に積極的 であった。

ダンス・フランセーズ特集では、3日間の催しを通じて、20世紀のフランスのダンスに スポットをあてることにより、現在のダンスの動向を知ることができたと共に、 多様な側面から照射することによって、今日のそして21世紀のダンス表現の可能性を 探ることができたと思う。
(唐津絵理)

*=写真提供:シネマテーク・ド・ラ・ダンス  Photo : 南部辰雄

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