HUMAN COLLABORATION '98

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HUMAN COLLABORATION '98
コラボアート「縁」−マーキュリー空間への誘い
第3回アートフィルム・フェスティバル
イベントークPart7「異形としての身体」

「Human Collaboration」は、複合文化施設である愛知芸術文化センターの特性に合わせ、 芸術家、スタッフ、一般から募ったボランティアなどによりオリジナルな作品制作を行う、 総合的な芸術創造プログラムである。

HUMAN COLLABORATIONでは、以下の理念を追求してきた。

異なった芸術ジャンル間、国際間の共同制作による新しい表現様式の可能性の追求
ジャンルとジャンル、国と国、アーティストと観客、制作に関わる人々と観客との有機的結合
単独の公演や展示ではなく、映像、ワークショップなど様々な事業を組み合わせた、より多様な<芸術への入口>の提供
地域の活性化

Human Collaboration'98では、96年、97年に引き続き、映像、ダンス、音楽による コラボレーション公演「コラボアート『縁』」をひとつの柱とし、 「アート・フィルム・フェスティバル」、「イベントーク Part 7」より事業を構成した。

「コラボアート『縁』」では、昨年に引き続いて、オーストラリア・メルボルンの ヴィクトリアン・アーツ・センターから振付家とダンサーが参加し、日本人ダンサーと 共同でダンスを創り上げた。オープンスペースを使うというこの公演のスタイルは、 目の前のダンサーが観客と手を繋いで移動するなど、多くの観客をコラボレーションの 中に巻き込み、催しに携わる人全てを有機的に結合させ、多数の観客に<芸術への入口>を 提供することができた。なお、この公演後、公演の一部がメルボルンで開催された 「メルボルン国際フェスティバル」のフィナーレを飾るなど、ヴィクトリアン・アーツ・ センターと愛知芸術文化センターの交流もさらに深まっている。

「イベントーク」では、昨今のポピュラーな表現である漫画やアニメーション作品に 異形・奇形的な身体のイメージが共通して見られることに着目し、こうした表現や それを受け入れる感性が育まれた源流を探るべく、1960年代の演劇やアニメーション、 また当時人気を博していた怪獣映画を取り上げた。演劇公演、上映会、トークショーと ともに、本格的な展示を行い、多くの熱心な観客がこの企画に足を運んだ。

またアート・フィルム・フェスティバルでは、音楽や舞踊、美術など異ジャンルとの 関わり深い映像作品を積極的に取り上げている。今回は、ダンス・カンパニー 「H・アール・カオス」の映像作品3本や、アメリカの若手写真家シャロン・ ロックハートが日本に滞在して撮った『Gosho-gaoka』などを上映し好評を博した。






* この一連の事業は財団法人地域創造/ジャンボ宝くじ助成のもとに行われました。
Photo : 南部辰雄

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