AAC オリジナル映像作品第8弾

      園子温監督 「うつしみ」
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園子温監督 『うつしみ』
1999年、80分、カラー、サウンド、16mm

企画: 愛知芸術文化センター
制作: 愛知県文化情報センター
製作: アンカーズ・プロダクション
エクゼクティブ・プロデューサー: 越後谷卓司
オリジナル映像作品作家選定委員:
     (竹葉丈、とちぎあきら、平野勇治、村山匡一郎)
監督・脚本・編集: 園子温

「オリジナル映像作品」は、愛知芸術文化センターが1年に1本のペースでおこなっている 実験的な映像作品の自主制作プログラムである。制作に当たっては、愛知芸術文化センター 内の映像装置、施設での上映はもちろん、館外でも上映可能なクオリティの高いものを 目指している。

これまでに制作された作品はいずれも、担当する監督の個性が反映されたユニークな ものであり、「第41回オーバーハウゼン国際短編映画祭」(1995年、ドイツ)及び 「第44回メルボルン国際映画祭・短編部門」(1995年、オーストラリア)でグランプリを 受賞した『トワイライツ』(1994年、監督:天野天街)や、「山形国際ドキュメンタリー 映画祭 '97」の国際コンペに招待出品された『3+1』(1997年、監督:大木裕之)など、 国内・外の映画祭、企画上映会で多くの上映機会を得ており、高い評価を受けている。

現身の世。うつしみの世。
うつしみとは現身。うつしみとは映身。
この世の身体。
裸体。男と女の。
架空の衣服。
それとも架空は魂なのか。現身の世。

人間の肉体の輝き。
人間の肉体のみすぼらしさ。
人間の肉体は?クリムトの絵画のように、
輝き、老衰する。
この限定された、区切られた時間を
生きる肉の衣。架空の衣服。
架空の肉体。

身体、架空の肉体。
現身。

〜以下、略〜
このシリーズでは、現代の思想、芸術などの領域において注目を集めている「身体」を メインテーマに設定しており、21世紀を間近に控えた現代を反映し、また同時代的な 共感を得るような、斬新かつ独創的な作品の制作を行っている。 シリーズ最新作となる平成10年度制作の第8弾『うつしみ』は、詩人で、日本の若手を 代表する映画監督・園子温が担当、テーマ「身体」についての独自のコンセプトを 提示するとともに、映像表現の新たな局面を切り開くものといえるだろう。 なお、この作品は、平成11年度内の公開を予定している。

(越後谷卓司)

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