現代音楽家シリーズ2

      三輪眞弘講演会
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1998年7月10日(金) アートスペースA
講師: 三輪眞弘(作曲家) / 聞き手: 藤島寛(心理学)
「現代音楽家シリーズ」は、現代音楽の多様な様相を、活躍中の作曲家や演奏家が 直接語る言葉を通じて紹介する講演会シリーズである。 作曲家や演奏家自身が、これまでの活動や作品のコンセプト、作曲や演奏の 方法論などを語ることにより、現代音楽を広く一般に知ってもらう機会を つくることを目的としている。
時にはミニパフォーマンス等も交えながら紹介する。

第2回は作曲家の三輪眞弘氏を取り上げた。
三輪氏は、コンピュータを使って、すでに存在する音楽や文章を引用し再構成したり、 リアルタイムに作曲、演奏するという手法を用いて、現代における芸術の可能性を 問い続けている作曲家である。この時三輪氏は、帰国して2年あまりで音楽雑誌等へ 登場回数もまだ多くはない。それにもかかわらず、非常に多数の観客が集まった。 広島や埼玉からの参加者もあった。年齢も10代から60代まで幅広く、 このような講演会を希望する観客の存在が感じられた。

講演は、三輪氏自身による経歴とこれまでの活動紹介から始まった。 日本の音楽大学では学ばず、ドイツ・ベルリンで韓国出身のイサン・ユン氏に 師事し芸術音楽の存在意義について教えられたこと等、彼の音楽の根幹とその特徴が 語られた。続いていくつかの作品の一部が、CDとビデオを用いて紹介された。 次に藤島寛氏との対談が行われた。心理学者である藤島氏は、三輪氏の活動を早くから 日本で紹介してきた現代音楽プロデューサーでもある。 三輪氏の音楽について解説を加えるとともに、鋭い質問を行い、聞き手に三輪氏の 音楽を知る上でのポイントを教えてくれた。




《言葉の影、またはアレルヤ》 演奏風景
最後に、デモンストレーションとして、新作《言葉の影、またはアレルヤ》の 演奏が行われた。これは三輪氏にとって帰国して最初の新作発表の機会となった。 そのため、デモンストレーションと言いつつ、時間的にも内容的にも充実した パフォーマンスが行われた。
(藤井明子)

Photo : 南部辰雄

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