文化情報センターでは、愛知芸術文化センターの様々なオープンスペースを会場として
大規模なコラボレーション公演からミニ・コンサートまで多様な事業を行うことにより、
これらの公共空間での芸術の可能性を探ってきた。
通路などのオープンスペースを舞台に無料でパフォーマンスを行うことは、通りすがりの
観客も巻き込み、より多くの人に楽しく芸術に親しんでいただくという普及啓発的側面も
意図している。
今回は、初来日のドラマー、フリッツ・ハウザーの講演会を「現代音楽家シリーズ」で
行うことを機会に、ハウザー(ドラム、シンバル)と安倍圭子(マリンバ)の2人の
ミュージシャンに、異なるタイプのダンサーを交えて即興で繰り広げる音とダンスの
コラボレーション公演を2日にわたって開催した。
会場となった公共空間も異なり、1日目のパフォーマー、武元賀寿子は、鮮やかな色彩の
布を用いて伸びやかに舞い、2日目の丹野賢一は階段など空間のもつ特性を十分生かし、
前日とは対照的な激しい身体表現を行った。
ハウザーと安倍のデュオも、1日目は武元の動きを感じてしなやかな音のやり取りが行われ
、2日目は丹野のエネルギーに共振しパワフルな演奏を行うなど変化に富んだものだった。
この公演を目当てに集まった観客のほか、たまたま通りかかった人も集まり、
両日ともわずか30分ながら熱気に満ちた公演となった。
(藤井明子)
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1999年11月26日(金)
フォーラムII 2階・NHK側
フリッツ・ハウザー(ドラム)
安倍圭子(マリンバ)
武元賀寿子(ダンス)
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1999年11月27日(土)
10階美術館前
フリッツ・ハウザー(ドラム)
安倍圭子(マリンバ)
丹野賢一(身体)
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フリッツ・ハウザー、安倍圭子
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