2日目後半のセッション
  特集公演

    若手邦楽家の挑戦
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楽器の個性を表現する  2000年2月29日(火) 愛知県芸術劇場小ホール
八木美知依(箏)+佐藤允彦(ピアノ)+箏アンサンブル
田中悠美子(太棹三味線)+野村誠(鍵盤ハーモニカ)+片岡祐介(木琴、パーカッション)
一噌幸弘(能管、篠笛)+吉野弘志(ベース)
1日目(2/29)は、八木、田中、一噌がそれぞれに共演者を得て演奏を行った。
八木美知依は、絃の振動と共鳴による箏の発音に着目し、ピアノの佐藤允彦とともに 、箏とピアノの絃の共鳴を活かした作品を演奏した。 田中悠美子は、義太夫節に基づく曲を、野村誠、片岡祐介と一緒に、鍵盤ハーモニカ、 木琴、鉄琴、打楽器と合わせて演奏することで、情のこもった語りと野太い太棹の音を 活かしながら、古典曲を新しい音楽に作り変えようと試みた。一噌幸弘は、 音域や音色など様々な点で能管などの笛と対照的なコントラバスの吉野弘志との デュオにより、笛の特徴が堪能できる作品を演奏した。
 

八木美知依(箏)、佐藤允彦(ピアノ)、箏アンサンブル

一噌幸弘(能管、篠笛)、吉野弘志(ベース)

人間の個性が表現する  2000年3月1日(水) 愛知県芸術劇場小ホール
「微妙」(木津茂理(唄、太鼓)、フェイ・ジェンロン(大三弦、中国箏)、ホン・チェドン(カヤグム))
一噌幸弘(能管、篠笛)、田中悠美子(太棹三味線)、八木美知依(箏)、片岡祐介(木琴、パーカッション)
2日目(3/1)は、前半に、民謡の木津茂理に中国のフェイ・ジェンロン(大三弦ほか) 、韓国のホン・チェドン(カヤグム)が加わったグループ「微妙」が、国境を越えた 伝統音楽の今日を表現すべく、各国の民謡をアレンジした作品を演奏した。
後半は、1日目に登場した八木、田中、一噌、片岡に、「微妙」のメンバーが加わり、 出演者それぞれがこの日のために作曲した曲など、デュオから全員によるセッションまで、 様々な演奏を繰り広げた。

2日とも2時間半に及ぶ公演で、多様な今日の音楽の状況とその中で試行錯誤を重ねる若い演奏家のエネルギーをそのまま表した、聞き応えのある公演だった。
(藤井明子)

 

田中悠美子(太棹三味線)
野村誠(鍵盤ハーモニカ)
片岡祐介(木琴、パーカッション)

「微妙」
木津茂理(唄、太鼓)
フェイ・ジェンロン(大三弦、中国箏)
ホン・チェドン(カヤグム)
企画制作協力:澤井宏始(システマ)
Photo : 南部辰雄

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