賞と選考委員

AAC道場では、次の賞を設けています

●作品企画案の応募書類から

入選(4組以内)

音を核にすえたパフォーマンス(サウンドパフォーマンス)作品として、独創性に富み、発展性のある挑戦的な作品。賞金20万円(出演料として)と、舞台上演の機会が与えられ、ブラッシュアップ・プログラムを通じて、選考委員・舞台スタッフから上演に向けての具体的なアドバイスやサポートが受けられます

●本公演で上演した入選作品の中から

優秀賞

選考委員により、完成度・独創性・発展性の点から最も優秀であるとして選ばれた作品。再上演の機会が与えられます。

オーディエンス賞

全上演作品の中から観客投票により、最も良かったとして選ばれた作品。入場料の一部が賞金として与えられます。



第5回道場 選考委員およびメッセージ(50音順)

桜井圭介(音楽家、ダンス批評。吾妻橋ダンスクロッシング・オーガナイザー)

 

音楽家・ダンス批評。吾妻橋ダンスクロッシング オーガナイザー。著書に『西麻布ダンス教室』『ダンシング・オールナイト!』など。音楽家としても、 遊園地再生事業団、ミクニヤナイハラ・プロジェクト、砂連尾理+寺田みさ子、ほうほう堂など、パフォーミング・アーツとの協同も多い。

---メッセージ---

「見たことも聞いたこともない」企画、トンデモない企画を期待しています。くーだらないアイデア、バカ爆発、アホ炸裂の上演、要するに「どう考えてもフツーじゃないねこの人」なものが見たい!
とはいえ、いわゆる「ドヤ顔」なものは嫌いです。僕は以前、かなり遅い時期まで「ドヤ顔」のことを「ドヤ街のおっちゃんっぽい、いい感じのオヤジ顔」のことだと思っていました。「ドヤ街のおっちゃんのいい感じの顔」みたいな作品は是非とも見たいですね。でも、いわゆるところの「ドヤ顔」、つまり「作者の賢しらな顔」が目に浮かぶような作品はノーサンキューです。
ということで、よろしくお願いします!



畠中実(NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]主任学芸員)

 

1968年生まれ。1996年の開館準備より ICCに携わる。主な企画には「サウンド・アート―音というメディア」(2000年)、「サウンディング・スペース」(2003年)、「ローリー・アン ダーソン 時間の記録」(2005年)、「サイレント・ダイアローグ」(2007年)、「可能世界空間論」(2010年)、「みえないちから」(2010 年)、「[インターネット アート これから]—ポスト・インターネットのリアリティ」(2012年)など。ダムタイプ、明和電機、ローリー・アンダーソン、八谷和彦といった作家の個展企画も行なっている。その他、コンサートなど音楽系イヴェントの企 画も多数行なう。

---メッセージ---

昨年からこのサウンドパフォーマンス道場の審査員として関わらせていただいています。
「サウンドパフォーマンス」という名称があまりなじみがないからなのか、そもそもニッチな領域だからなのか、もう少し応募作品があるといいと思いました。あまりジャンルにとらわれる必要はなく、いろいろなものを見てみたいという思いでやっています。なにしろ、この道場の特徴は、作品を形にしていく過程も含めて、その経過も見ていくことができるところにあります。審査員の言うことなんてきかなくてもいい訳ですが、そこらへんも含めて、なにかいままでにないものが形になっていくダイナミズムを感じさせてくれる作品を楽しみにしています。



山本裕之(作曲家、愛知県芸術大学音楽学部准教授)

 

1967年生まれ、主に神奈川県で育つ。1992年東京芸術大学大学院作曲専攻修了。これまでに第58回日本音楽コンクール第3位(1989)、BMW musica viva作曲賞第3位(ド イツ/1998)、武満徹作曲賞第1位(2002)、第13回芥川作曲賞(2003)等を受賞。作品はEnsemble Contemporain de Montreal(モントリオール)、Nieuw Ensemble(アムステルダム)、バイエルン放送交響楽団(ミュンヘン)、東京フィルハーモニー交響楽団など、国内外の団体等により演奏されている。1990年より作 曲家集団《TEMPUSNOVUM》に参加、2002年よりピアニスト中村和枝氏とのユニット活動《claviarea》を行っている。現在、愛知県立芸術大学准教授、Ensemble Contemporary αメンバー。

---メッセージ---

サウンドパフォーマンス道場で募集するものに、「こういう作品」というスタイルの条件はありません。まだまだ未知(未来)の分野です。ともかく面白いと感じさせてくれるような作品をお待ちしています。
とはいえ、やはり「サウンド」は核になると思います。それも、サウンドがその作品にとって必然的かつ重要な役割を持ち、観客を「うぅむ」と呻らせるような説得力のある音であればベストでしょう。そこまでいかないとしても、音に何らかの重要な役割を是非とも持たせて欲しいと思っています。
もうひとつ、応募の段階では作品のイメージをある程度明確にしていただくのが理想的です。イメージやコンセプトが確固としていれば、プレゼンテーションのブラッシュアップにも耐えられ、作品はより強靱なものとなるでしょう。審査員や観客を愕然(唖然?)とさせるようなスゴイ作品を楽しみにしています。



藤井明子(愛知芸術文化センター愛知県文化情報センター主任学芸員)

   

1992年より愛知芸術文化センター愛知県文化情報センター学芸員として勤務。数々の音楽公演やコラボレーション公演に携わる。