自主事業:
愛知県芸術劇場 × DaBY ダンスプロジェクト
鈴木竜 × 大巻伸嗣 × evala『Rain』
幸田町民会館さくらホール
日本を代表するトップダンサーたちの共演
ダンス×美術×音楽が融合した圧巻のスペクタクル
主演に愛知出身で新国立劇場バレエ団プリンシパルの米沢唯を迎え、鈴木竜、大巻伸嗣、evalaらジャンルを超えた気鋭のアーティストがクラシックバレエやストリートダンスなどで活躍するダンサーたちと創作するダンス公演です。舞踊、美術、音楽の三位一体のスペクタクルにご期待ください。
原作:サマセット・モーム『雨』
イギリスの小説家・劇作家 サマセット・モーム(William Somerset Maugham / 1874-1965)により、1921年に発表された短編小説。感染症により南の島に閉じ込められた医師の夫妻と宣教師夫妻たちが宿泊することになった宿で出会ったのは、品がなく信仰心のない一人の女性であった。雨が降りしきる閉鎖空間で過ごすなか、それぞれの人物の価値観の違いから生まれる心情や軋轢、そして予想外の結末が描かれる。
Rain 特設ウェブページ
https://rain.dancebase.yokohama/
幸田町民会館ウェブサイト公演ページ
https://www.happiness.kota.aichi.jp/hall/event/entry-322.html
レビュー掲載のお知らせ(2024/1/11):
鑑賞&レビュー講座2023参加者によるレビューを掲載しました。詳細は以下の「レビュー」よりご覧ください。
当日券のお知らせ:(2023/8/17):
9:00~幸田町民会館事務室にて販売します。
概要
公演日時 | 2023年8月18日(金)18:30開演
※ 開場は開演の30分前 |
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会 場 | 幸田町民会館 さくらホール(アクセス) |
企画・共同製作 | 愛知県芸術劇場・Dance Base Yokohama |
助成 | 文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等活性化・ネットワーク強化事業(地域の中核劇場・音楽堂等活性化))独立行政法人日本芸術文化振興会 |
主催・お問合せ |
愛知県芸術劇場 TEL: 052-211-7552(10:00~18:00) FAX: 052-971-5541 幸田町文化振興協会 TEL: 0564-63-1111 |
スタッフ・キャスト
スタッフ・キャスト |
原作:サマセット・モーム『雨』 出演:米沢 唯(新国立劇場バレエ団プリンシパル) 演出・振付:鈴木 竜 |
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チケット情報
チケット料金 |
全席指定 ※ U25は公演日に25歳以下対象(要証明書)。 |
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チケット取扱 |
チケット発売 〈先行販売〉 幸田町民会館 ClubハッピネスWeb会員 6月25日(日)10:00 ~ 6月27日(火) 〈一般販売〉 幸田町民会館 電話予約/Clubハッピネス/チケットぴあ 7月2日(日)10:00~ ※愛知県芸術劇場での一般チケット取扱いはありません。 幸田町民会館(インターネット販売・電話予約・窓口販売) 幸田町民会館チケット購入方法 https://www.happiness.kota.aichi.jp/hall/ticket/ ※インターネット販売は、幸田町民会館ClubハッピネスWeb会員 詳細は幸田町民会館ClubハッピネスWeb会員へのご登録が必要です。 TEL 0564-63-5181 (9:00-22:00 月曜休館/祝日の場合は翌日) チケットぴあ[Pコード:519-267]http://t.pia.jp ※購入方法によりチケット代金のほかに手数料が必要になる場合があります。 【劇場と子ども7万人プロジェクト対象公演】 ※申込受付は終了しました。 ※ 同行のお客さまも一緒にご購入いただけます(対象席種:一般・U25/1申込につき招待とあわせて4枚まで)。 |
鑑賞サポート
観劇・鑑賞サポート |
視覚に障害のあるお客さまへの鑑賞サポート 事前にプログラムのデータをEメールでお送りできます。 ご希望の方は、愛知県芸術劇場へご連絡ください。 愛知県芸術劇場 TEL: 052-211-7552(10:00~18:00) FAX: 052-971-5541 |
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小・中・高校生招待
【劇場と子ども7万人プロジェクト対象公演】 ※申込受付は終了しました。
小・中・高校生を公演にご招待します(枚数限定・先着順)。
申込受付:7月4日(火)10:00 ~
※ 同行のお客さまも一緒にご購入いただけます(対象席種:一般・U25/1申込につき招待とあわせて4枚まで)。
ツアー情報
東京公演 |
2023年8月4日(金)ー 6日(日) |
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福岡公演 |
2023年8月27日(日) |
レビュー
鑑賞&レビュー講座2023参加者によるレビュー
鑑賞公演:2023年8月18日(金)『Rain』幸田町民会館 さくらホール
愛知県芸術劇場では舞台芸術を言葉で紡ぎ、レビューを執筆することも舞台と観客とのコミュニケーションの一つと考えています。
以下の作品は、講師アドバイス、推敲を経て完成した2023年度ステップアップライターの作品です。
©Naoshi Hatori
©Naoshi Hatori
愛知県芸術劇場×DaBYダンスプロジェクト『Rain』が、2023年8月18日(金)、愛知県幸田町にある幸田町民会館さくらホールで上演された。3月に愛知県芸術劇場小ホールで初演された作品の再演であり、演出・振付はDaBYアソシエイトコレオグラファーの鈴木竜、美術を現代美術作家の大巻伸嗣、音楽をサウンド・アーティストのevalaが担当し、主演は新国立劇場バレエ団プリンシパルの米沢唯が務め、相手役に2009年から2018年までNoismで活動した中川賢を中心に、若きダンサーと共に至高の舞台を創りあげた。
『Rain』は、サマセット・モームが1921年に発表した短編小説『雨』に着想を得ている。感染症により南の島に閉じ込められた医師と宣教師夫妻が、雨が続く閉鎖空間の中で自分達と価値観の違う女性トムソンと出会い、その軋轢から、予期せぬ結末を迎える物語である。
鈴木は、この物語に漂う「湿気」のようなものをダンスによって可視化したい、と初演時に語っていたが、再演はその点がより深められ、じっとりとした汗が肌に絡みつくような感触を得た舞台になっていた。 開演前、ダンサーが客席から徐々にステージに向けて動いていく趣向も、暗く薄気味悪い世界にダンサーが引き寄せられていくような怖さを感じた。踊りが始まると、DaBYの若手女性ダンサーが、「我こそはトムソン」と言わんばかりのインパクトのある情熱的な動きを見せる、米沢が入り、やはり彼女がトムソンだったとばかりにダンスチームが米沢を中心にまとまった群舞を展開する。
舞台の中央に陣取る大巻制作のインスタレーションは、初演時よりも舞台のサイズに合わせてか、さらに大きな直方体になり、垂らされた紐の密度が変わり、中に入ったものを一層不思議に見せる透過性も備えた不気味な物体となっていた。ダンサーが、インスタレーションの中に入り足だけを出して奔放に踊る姿が印象に残った初演に比べて、再演では、巨大化したインスタレーションにダンサーが飲み込まれ、悶え、蠢くような描写が多かった。evalaが紡ぎ出したリズムのない暗い音世界とも混じり合い、物語が醸し出す不快感、やるせなさを、真摯に表現している。
時折激しい群舞も交えながらも、場を支配するのはけだるい動きだ。登場人物の混乱していく様子が、インスタレーションの下でゆっくり展開されていく。気づくと、米沢が服を脱ぐラストシーンに至っている。身にまとった、湿気を帯びた煩わしいモノを取り払って、皆で崩壊に向かっていく、身震いを感じたシーンだった。
再演は、鈴木らが目指したものがストレートに伝わった舞台だったと感じた。初演でトライしたことを一つ一つ取り出して、ダンサー、美術、音響が対話を繰り返しながらの物語の本質を表現しようとした、誠実で丁寧な作品づくりに大きな拍手を送りたい。
小町谷 聖(鑑賞&レビュー講座2023ステップアップライター)