自主事業:ミニセレ
ヌトミック+細井美裕『波のような人』
マルチチャンネルスピーカーと俳優のための演劇作品
"⾒えない。しかし、確かにそこにいる。
「⾳」に変⾝した⾝体が語る、⼈間の進化と退化を巡る不条理劇。"
ある朝、男が目覚めると自分の体がなくなっていることに気が付く。男の体は、目に見えないデータに変わっていた。心臓の鼓動、血流、声、あるいは気配として、男は家族に語りかける。データ化した男を人間だとは思えない母と妹。この物語は、突如として起こる不条理な現実に翻弄された、ある家族の"変身"を描く。
■ ヌトミック ウェブサイト
■ 愛知県芸術劇場ミニセレ2021 特設ページ
ご来場される皆さまへのお知らせとお願い(新型コロナウイルス感染症関連)
ご来場前に「愛知県芸術劇場主催公演にご来場される皆さまへのお知らせとお願い(新型コロナウイルス感染症関連)」をご覧ください。
額田大志・細井美裕よりコメント(2021/4/27):
虚構を描くためには、多くの信頼が必要です。信じることで、目に見えないものを受け入れることができます。しかし、不条理な現実が立ちはだかったとき、人は、それを信じることができるのか。どうしたら、受け入れることができるのか。
今回のクリエイションでは、座組全員で、虚構を信じるための方法を探してきました。何を描き、どう舞台上で表現するのか。サウンドデザインの細井はもちろん、戯曲をもとにヌトミックの三人の俳優、ドラマトゥルク、演出部と上演台本を構成し、ほんの少しの言葉選びにも、多くの意思が込められています。沢山のテクニカルスタッフの力も合わさり、この上演が誕生しました。
虚構のような現実が立ちはだかる今、現実のような虚構を上演することは、それを乗り越えるための道筋だと信じています。
額田大志(作・演出・音楽)
スピーカーと俳優のための本作は、一度発表してしまえば解釈は鑑賞者に委ねられる音のみの作品と違い、俳優がいることにより音に道筋を与えることができました。スピーカーが俳優と舞台装置の間を行き来するような振る舞いは、音だけでは難しかった表現を俳優の小さな所作で解決することができたり、逆も然り、あたらしい出演者としての可能性を突き詰めたいと思えました。
また、男がデータになることは本作では変身の象徴にすぎず、その先にあるアーカイブ/解釈/再現などといったキーワードについて、舞台上にいる人間だけではなく、私たちがどう考えていくかが大きなテーマであったように思います。生/死、在/不在にかかわらず、その本人の意思は本当に本人の意思か。本人不在の場合の再現や保存が行われる際に、客観的性質と本人の意思の両軸が必要ではないかという問いは、人間が人間というハードウェアではないものになった状態で意思の所在をどこに設定するかという問いにつながっていくと思います。
細井美裕(サウンドデザイン)
当日券のお知らせ(2021/4/26):
各回開演30分前より、小ホール入口にて販売いたします。
関連イベントのお知らせ(2021/4/7):
バックステージツアーおよび、オンラインプレトークについての情報を掲載しました。
額田大志・細井美裕よりメッセージ(2021/3/11):
愛知県芸術劇場YouTubeチャンネルにて、メッセージ動画を公開しました。
https://youtu.be/avf-XCptEJc
概要
公演日時 | 2021年4月27日(火)19:30開演 2021年4月28日(水)13:00開演/19:00開演 ※ 上演時間は90分程度 ※ 受付開始は開演の30分前、開場は15分前 ※ 28日(水)13:00の回終演後、バックステージツアー(要予約)を開催予定。詳細は関連イベントページをご覧ください。 |
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会 場 | 愛知県芸術劇場 小ホール |
出演者・スタッフ |
作・演出・音楽:額田大志 サウンドデザイン:細井美裕 原案:フランツ・カフカ 『変身』 出演:長沼航、原田つむぎ、深澤しほ、岩渕貞太(音の出演) テクニカルディレクター:イトウユウヤ |
チケット料金 |
全席自由 ※ U25は公演日に25歳以下対象。 |
チケット取扱 |
チケット発売 2021年3月12日(金)10:00~ 愛知県芸術劇場メンバーズへの登録が必要です。詳細はこちら 愛知芸術文化センタープレイガイド(地下2階) TEL 052-972-0430 平日10:00-19:00 土日祝休10:00-18:00 (月曜定休/祝休日の場合、翌平日・年末年始休12/28-1/4) ※購入方法によりチケット代金のほかに手数料が必要になる場合があります。 |
託児サービス |
【4月28日(水)13:00の回のみ】 開場から終演まで、オフィス・パレット株式会社による託児サービスを実施します。 オフィス・パレット株式会社 |
主催・企画・製作・お問合せ |
ヌトミック |
共 催 |
愛知県芸術劇場 |
協 力 |
東京デスロック 散策者 DrillBros 金井大道具NAGOYA共同企業体 ACOUSTIC FIELD studio ATLIO グループ・野原 syuz'gen Théâtre de Belleville みんなのひろば |
助 成 | 公益財団法人セゾン文化財団 |
プロフィール
額田大志 Masashi Nukata
Photo comuramai / takaramahaya
1992年東京都出身。作曲家、演出家。8人組バンド『東京塩麹』、演劇カンパニー『ヌトミック』主宰。
「上演とは何か」という問いをベースに、音楽のバックグラウンドを用いた脚本と演出で、パフォーミングアーツの枠組みを拡張していく作品を発表している。『それからの街』で第16回AAF戯曲賞大賞、古典戯曲の演出でこまばアゴラ演出家コンクール2018最優秀演出家賞を受賞。次作のほか、Q/市原佐都子『バッコスの信女-ホルスタインの雌』などの舞台音楽、JR東海『そうだ 京都、行こう。』などの広告音楽も数多く手掛ける。
細井美裕 Miyu Hosoi
Photo Ken Hirose
1993年愛知県岡崎市出身。慶應義塾大学卒業。大学在学中からボイスプレイヤーとして楽曲、サウンドインスタレーションに参加。2019年 NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]無響室において22.2chで制作した「Lenna」の2ch版を発表、同作品を山口情報芸術センター[YCAM]では22.2chで展示し、同楽曲は第26回日本プロ音楽録音賞ハイレゾ部門優秀賞・ニュープロミネントマスター賞を同時受賞。YCAMにて細井美裕+石若駿+YCAM新作コンサートピース「Sound Mine」を、2020年Ars Electronica Festivalにて無響室と残響室を繋ぐ作品「Vocalise」を発表。第23回文化庁メディア芸術祭アート部門新人賞受賞。
ヌトミック Nuthmique
2016年に東京で結成された演劇カンパニー。
「上演とは何か」という問いをベースに、音楽のバックグラウンドを用いた脚本と演出で、パフォーミングアーツの枠組みを拡張していく作品を発表している。俳優のみならずダンサー、ラッパー、映像作家などとのコラボレーションも積極的に行う。主な作品に『SUPERHUMAN』(2018)、『アワー・ユア・タワーズ』(2019)、『それからの街』リクリエーション(2020)など。また「ヌトミックのコンサート」と題したライブパフォーマンスも定期的に開催。
関連イベント
バックステージツアー
額田・細井によるマルチチャンネルスピーカーシステムを活用した演出についての解説
劇場の全方位と、舞台および客席の天地にスピーカーを仕込んだマルチチャンネルスピーカーシステムを演出に用いる『波のような人』。バックステージツアーでは、作・演出の額田大志とサウンドデザインの細井美裕による、当システムを活用した演出についての解説と実演を行います。
公演日時 | ヌトミック+細井美裕『波のような人』4月28日(水)13:00の回終演後 |
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所要時間 | 30分程度 |
料金 | 無料(要予約) |
参加方法 | ヌトミック ウェブサイトよりお申込みください。 |
オンラインプレトーク
クリエイションメンバーによるオンラインプレトーク映像を複数回に渡り、ヌトミックのYouTubeチャンネルにて期間限定で公開します。
公演日時 |
4月17日(土)より順次公開(4月30日(金)までご視聴いただけます) ヌトミック YouTubeチャンネル |
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ニュース
2021.4.23 中日新聞Web:公演情報 |
2021.4.18 サカエ経済新聞:公演情報 |
2021.3.24 ステージナタリー:愛知県芸術劇場 ミニセレ2021特集 |
2021.3.11 愛知県芸術劇場YouTubeチャンネル:額田大志・細井美裕よりメッセージ |