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第15回 AAF戯曲賞

 

審査結果

12月5日に行われた公開審査会にて、大賞・特別賞が決定いたしましたので知らせします。 

大賞
特別賞

二次審査結果

去る11月2日に二次審査会が行われ、5作品が第15回AAF戯曲賞としてノミネートされましたので知らせします。 

                    
二次審査通過作品
(順不同・敬称略)

ノミネート作品は館内アートライブラリ(1F)、アートプラザ(B2)でもご覧いただけます。
(アートプラザにて貸出も行っております。カウンターにお声掛けください)

公開審査会についてはこちら


一次審査結果

「第15回AAF戯曲賞」に多数のご応募をいただき、ありがとうございました。
去る10月1日に一次審査会が行われ、17作品(応募総数:114作品)が通過いたしましたのでお知らせします。

 二次審査:11月初旬(非公開)
 公開審査会:12月5日(土)18:00 小ホール

                    
一次審査通過作品
(順不同・敬称略)
  • 『居坐りのひ』 杉本奈月
  • 『おやすみなさい』 大池容子
  • 『海底で履く靴には紐が無い』 山縣太一
  • 『ガベコレ~garbage collection』 林慎一郎
  • 『きれいごと、なきごと、ねごと、』 綾門優季
  • 『詩とは何か/音信不通の姫』 高野竜
  • 『つきのないよる』 山口茜
  • 『蒸発』 西尾佳織
  • 『醤油の町の子』 田上碧
  • 『スピードに真夜中あげる』 空ノ驛舎
  • 『ダム湖になる村』 深谷照葉
  • 『Documentation』 飯島剛哉
  • 『NYの天使→』 桃地patric伸也
  • 『ヘイセイ・アパートメント』 山田由梨
  • 『みちゆき』 松原俊太郎
  • 『水』 カゲヤマ気象台
  • 『私、洗濯機をさらいにいくわ』 原田ゆう
審査員コメント

鳴海康平 (第七劇場代表、演出家)
今回応募があった114作品をすべて読み、ドラマに対する多様な視線と出会いました。これは要項にある「あなたの考える演劇上演のためのテキスト」という要件が反映されたのだろうと感じます。プロットに対する創意だけではなく、構造への挑戦や、コンセプトとしての提示など「戯曲Drama とは何か?」というコピーに呼応した応募作品も見受けられ、「演劇上演のためのテキスト」の定義とともに、その先にある「演劇上演」にも思考が揺さぶられる刺激的な114の出会いだったと感じています。
            

三浦 基 (「地点」代表、演出家)
通常の戯曲の形式ではない作品が散見されました。
演劇の形式の可能性を感じさせると同時に、コンセプト過多に陥ってしまう傾向が見受けられました。
しかし全体を通しては、まだまだテレビや映画のシナリオのようなありきたりな設定で、ありきたりなせりふの口調で書かれた戯曲が半分以上を占めていました。そんな中から、少々未完成でも切実な口調、切実な問題意識を持った作品を、一次通過するように心がけました。
            

篠田千明 (演出家、作家)
全作品から選ぶのが想像以上に大変でした。
全作品から半分にはできたのですが、それ以降はなにかの基準が必要になり、それがいまの自分にしっかりあるわけではなかったのでどうしたものか、とつらい気持ちになったんですけど、ひとまず、3回以上、よみとおせたもの、ということにしました。
物語はどの作品もはっきりいってよくわかってません。でもこれはいつものことで、物語が”わかる”ことは現在よりも遠くにあるものだと思っています。
全部をよんだ感想は、私たち審査員がつよめにどーなん?ってゆった感じをじゃあこんなん、って返してきた作品がわりとあってうれしかったです。でも、それでもとりあえず投げてみた、というものは、やはり2回以上はよめなかったです。もし目の前であってたとしたら、こう投げるか、というのがさえるのかもしれないけれど、テキストのみだと少し手控える部分がもろにでてきて、やっぱそうだよな、とも思いました。誰を相手にしてるかわからない部分でおらおらの真剣勝負をするのは、人間いやだしできない、そういうことだよな、と。ちなみにわたしがのこした25作品のうち、半分ぐらいが審査会でなくなりました。その理由も、上に書いたことと少し似ている気がします。
応募していただいた方、みなさんありがとうございました。

            

羊屋白玉 (「指輪ホテル」芸術監督。劇作家、演出家、俳優)
入魂の114作品、応募されたみなさん、ありがとうございました。
最初は選出基準をもうけずに読み始めました。全部読むのは大変でしたが、お味噌汁の出汁をとったあとの鰹節の再利用をどうしようかというような、生活の日々のトピックに流されながらも読み続けるうちに、わたしの選出基準は定まってゆきました。
戯曲にある言葉達が、その言葉の本質を再確認させるように登場してくる作品を捕まえたいと思いました。世の中の混沌を切り裂き腑分けし、それがそれと分かる、分かるということを共有する機能が言葉には有ると思います。言葉の意味が自動化していないもの、例えば意味をずらすことで新たな意味を発見させたりする言語行為や再特異化を楽しんでいることが戯曲から見えてくる作品を選出しました。